<ラグビー:トップリーグ>◇29日◇大阪・花園ラグビー場ほか

 会社の業績不振で、来季から「プロ選手契約」が廃止されるヤマハ発動機が、32-13でコカ・コーラウエストに快勝した。「日本代表コンビ」のSH矢富勇毅(24=早大)とFB五郎丸歩(23=同)ら、先発した7人のプロ選手が大活躍。合計4トライを奪い、1試合で最大の勝ち点「5」を獲得。リーグ休止前の5位から、プレーオフ出場圏内の4位に浮上した。サントリーが41-15でNECを下し、7勝1分けの勝ち点36で2位を守った。

 ヤマハ発動機のフィフティーンが、非常事態に発奮した。自らもプロ契約選手のプロップ山村亮主将(28)の「日本中のラグビー関係者に注目される試合だけど、100%集中して必ず勝とう」という猛ゲキに全員が奮い立ち、序盤からコカ・コーラウエストを圧倒。開始3分に社員選手のWTB松下馨(26)が右中間に先制トライ。同25分にはSH矢富が、自ら飛び込んで突き放した。「僕らの気持ちは、見ている人に伝わったと思う。今は、目の前の試合のことしか考えたくない」と矢富。全員が今後の移籍話を封印し、3年ぶりのプレーオフ進出に一丸となる。