日本相撲協会が早期実施の方針を打ち出していた全協会員への薬物抜き打ち尿検査が、春場所(3月15日初日、大阪府立体育会館)後に延期されることが25日、分かった。この日、協会はドーピング検査委員会を開き、同検査の結果による処罰規定などのガイドラインを決める予定だったが、大西祥平専門委員(慶大医学部教授)がインフルエンザを患ったため、協会側は「専門家がいないのでは会議を進められない」と判断。委員会の延期を決めた。

 これを受け、伊勢ノ海理事(元関脇藤ノ川)は「予定が変わったので、27日の理事会でドーピングの件が議題になることはない。委員会は春場所後になる」と明言した。この日の委員会と理事会の決定を経て早ければ28日にも抜き打ち検査が実施されるはずだったが、可能性はなくなった。

 1日には春場所に向けて幹部も含めた大半の協会員が大阪入りする。協会側には大西教授を大阪に出張させて委員会を開催する意向はないようだ。