日本相撲協会の理事選挙の立候補届け出があす28日、同協会内で行われる。二所ノ関一門を離脱し立候補する貴乃花親方(37=元横綱)を支持する大嶽親方(42=元関脇貴闘力)は26日、あらためて厳しい見通しを示し、他一門の評議員を切り崩せない現状を明かした。ただ「隠れ支持者」の存在も明らかにし、何とか決選投票に持ち込めればと、いちるの望みを託した。

 2日後に迫った立候補届け出、6日後の選挙に向け、貴乃花親方の状況は相変わらず厳しい。貴乃花親方の一門離脱により、支持者として二所ノ関一門を「破門」された6人の1人、大嶽親方は「(票上積みの)手応えはない」と、当選ラインに及ばない7票から動かない現実をあらためて明かした。

 「一門制度、先輩・後輩、師匠・弟子というしがらみがあって『入れられないけど頑張って』と言われる。そういわれても、自分には1票しかないからね(笑い)。しがらみがなきゃ、50票ぐらいはいくような勢いなんだけど」と、他一門の投票への締め付けの「壁」に、立ち往生しているのが現状だ。

 他一門の若手親方が「決選投票で一門が関係なくなれば、自由投票だろうから」というように、決選投票進出を期待する「隠れ支持者」は一門横断的に存在する。1、2票、他一門の「造反」が出れば、決選投票に持ち込める。貴乃花グループの会合は「やっていない」としたが、水面下で説得工作は行っているとみられる。「一門を出ても、何の影響もない。(一門で)割り振りされて投票するより、入れたい人に入れるというのはうれしいもの」と、自分の立場をアピールし、造反に望みをかける。

 また、同親方は、たとえ貴乃花親方が選挙に負けた場合でも「日本全国の注目を集めて、たとえば(投票時に)投票用紙を見せるとか、そういうことは排除できた。もし、落選しても次以降につながる」と、今回の行動の意義を強調した。