<バレーボール:全国高校選抜優勝大会:雄物川(秋田)2-0別府鶴見丘(大分)>◇4日目◇23日◇東京・代々木体育館◇男子3回戦

 雄物川は3戦連続のストレート勝ちで別府鶴見丘を退け、3年ぶりのベスト8に名乗りを上げた。

 雄物川が鮮やかな切り替えを見せた。第1セットは一進一退の死闘の末、30-28で競り勝ち。第2セットは対照的に、9点差と一方的な展開で勝利を決めた。3年ぶりのベスト8、そしてチーム最高記録となる8年ぶりのベスト4進出に王手をかけ、選手たちは喜びを爆発させた。

 苦戦から快勝へ-。際立つセット内容の違いを宇佐美義和監督(59)は「第1セットは相手の速い攻撃にブロックが合っていなかった。第2セットは落ち着いて修正してくれた」と分析する。指揮官の指示を的確に実行できる、チーム力の高さを証明してみせた。

 攻撃でも修正が効いた。エース渡辺貴央(2年)のスパイクは前半、クロスが多く相手ブロックに阻まれた。宇佐美監督の指示で後半はストレートを打ちまくり、見事に決めた。渡辺は「ストレートを打った方がチーム全体も盛り上がった」と会心の表情だ。

 24日の準々決勝では前回優勝の都城工(宮崎)と激突。細川卓弥主将(2年)が「相手より、自分たちのバレーをやるだけ」と言えば、渡辺も「挑戦者の気持ちを忘れず、みんなで戦う」と無欲の姿勢を強調する。秋田を代表する伝統校の快進撃。だが台風の目の本領発揮は、これからが本番だ。【北村宏平】