今秋ドラフトの超目玉、最速157キロ右腕の東海大・菅野智之投手(3年=東海大相模)が、ドラフトイヤー初戦でいきなり149キロをマークした。23日、静岡市の清水庵原球場で行われた社会人野球JR東日本とのオープン戦の8回、4番手で登場。2安打を浴びたが、1回1三振無失点で切り抜けた。

 実戦マウンドは昨年11月の明治神宮大会決勝以来。中身の濃い16球を振り返り「真っすぐもいい球があった。合格点」と満足げだ。不利な状況でも、自分を試す余裕があった。連打で1死一、三塁のピンチに、変化球で2球ボール先行。だがさらにスライダーを投じた。「あそこでストライクを取れたのは収穫」とうなずいた。打たせて取ることを考えた選択で、後続を断った。

 この時期としては異例の149キロを記録した右腕を周囲も絶賛した。日米8球団11人のスカウトが集結。メッツ大慈弥スカウトは「(メジャーでも)一流になる要素がある」。対戦したJR東日本・堀井哲也監督(49)も「他の大学生とランクが違う。排気量の大きさを感じる」とたたえた。

 明日25日から沖縄キャンプに出発。横井人輝監督(48)は「もう少しフォームを安定させたい。(打者に踏み出してから)間の粘りが必要」と課題を掲げる。3月12日の沖縄電力戦では先発予定。「17日間で2000球は投げたい」(菅野)とテーマを掲げる。さらなる成長を遂げる1年が始まった。【清水智彦】