阪神のジェフリー・マルテ内野手(27)が「6番一塁」で1軍デビューを果たした。右ふくらはぎの張りを訴え、2軍で調整を進めていたが、29日にようやく1軍に昇格。9回の打席で来日初安打を記録した。打線の起爆剤になるか。日刊スポーツ評論家の真弓明信氏が解説した。

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遅まきながら1軍デビューした新外国人マルテが来日初安打を放った。「6番一塁」で初出場。第4打席目の9回、中日小熊が苦しまぎれに投じたストレートに三遊間を割るヒット1本に終わった。

真弓 まだまだ本来のバッティングができていないように映ったね。打つポイントが近すぎて、ほとんどのストレートに差し込まれていた。最終打席も3-2から直球を投げられているようでは恐怖感をもたれていない証拠だろう。

試合前練習は26スイング中、フェンス越え2本。初打席は遊飛で、打球が上がったのはここだけ。続く打席の遊ゴロも中日阿知羅のストレートを打ちにいった。7回の3打席目はボールになる変化球に空振り三振を喫した。

真弓 1打席目は間違ったら本塁打になるようなスイングだったが、それでも迫力は感じなかった。スカウティングにあたった時はいい時を見ているのだろうから、ここから調子を上げてくるのかもしれない。でも基本的にどの球種にもタイミングが合っていなかった。

開幕2軍スタートで、チーム27戦目の合流。この助っ人が本物なら得点力アップが望めるはずだが…。

真弓 あれだけインコースを突かれているということは、すでに怖がられていないということ。中日ビシエドとは大違いだ。現状ではとてもクリーンアップに据えるようなタイプには見えなかった。

30日からのチームは、広島、DeNA、ヤクルトと9連戦が続く。

真弓 今は中谷、陽川ら若手との併用でいくべきだろう。また中日戦にカード勝ち越しを決めたチームでは新人近本の働きが目立った。ここはさらに相手に警戒されるような選手に育ててほしい。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

中日対阪神 9回表阪神無死一塁、マルテは初安打となる左前打を放ちガッツポーズ(撮影・森本幸一)
中日対阪神 9回表阪神無死一塁、マルテは初安打となる左前打を放ちガッツポーズ(撮影・森本幸一)