巨人のチーム状態が良くないのは坂本と丸の負の連鎖反応を見れば良く分かる。それなら、2人を離してみるのもひとつのやり方ではないか。坂本と丸の間にウィーラーを挟んでみるなど、打線の組み方はある。

恐らく、2人は考え過ぎて、精神的にきつくなっているのだろうと推測できる。私もシーズン中、同じ時があった。それこそ、ネクストから打席に向かうのもイヤだった。本音では「代えてほしい」と思っていたが、選手からは口にできない。何をやっても結果が出ない時は、まさにそんな心境だった。

坂本も10回の打席では、タイミングがまるで合っていない中で、外のボールを振って三振。あのスイングからも、坂本の不振の深さが伝わってくる。

2人の不振がいずれ岡本に及ばないかと感じる部分もある。岡本の立場になって考えれば、目の前で2人がポンポンと凡打しては、気分的に燃えて打席に入れない。負の連鎖をどこかで遮断するためにも、何か対策を講じる必要性を強く感じる。

原監督は野手の投手起用で大きな議論を呼んだ。今季の異例シーズンの状況を考えた時、選手がどんなコンディション、そしてメンタルに陥るかは未知数だ。打者は繊細な部分を併せもつ。投手起用で大胆采配を決断した行動力で、巨人らしい打ち勝つ野球を取り戻すため、原監督らしいインパクトある打開策を期待したい。坂本、丸の2人が、巨人打線をけん引する役割を担っている。(日刊スポーツ評論家)