-最後までどっちに転ぶかわからない展開をなんとかモノにした。阪神がカードの“頭”をとるのは、実に7カードぶりだ。

吉田 なかなか楽に勝たせてくれませんな。藤浪にようやく勝ちがついたのはなによりも収穫だ。勝てないプレッシャーもあっただろうし、矢野監督もよく辛抱したという印象が強い。ただ7回途中で降板したところは限界だった。たかが1勝かもしれない。でもされど1勝ですわ。問題はこれからです。これを機に先発ローテーション入りして後半戦に勝ち続けることですわ。打線とかみ合えば、こうして勝てるという証明だった。

-セーフティーリードがないといわれる神宮だけに、8回のボーアがこの日2発目になる9号ソロで突き放したのは効果的だった。開幕4番だった助っ人にとって今季初めて「7番」に下げられた途端の1試合2本塁打だ。

吉田 ボーアの打順は下げ過ぎですわ。外国人の起用法は難しい。打てなければ下げられると思ってるだろうし、逆に2試合続けて4番でヒットが出なかったサンズの心境も容易に察することができる。複雑だろう。ボーアはもっと上に上げないと。大山の4番を押し通す。サンズ、大山、ボーアのクリーンアップに賭けるぐらいの覚悟がいるのではないか。

-阪神にとって先取点をあげた2回は、38イニングぶりの得点。巨人に完敗したダメージは大きすぎる?

吉田 いや。小差ですわ。このカード初戦で2点を奪った2回は、大山二塁打で続く梅野のバントが三塁でタイミングはアウトなのに、矢野監督の「リクエスト」でセーフに覆った。その後、1死満塁で藤浪の三ゴロを村上がジャックルするわけです。まだ68試合あるんですよ。再び運が向いてきた。わたしはこの1勝をそう受けとりました。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

2020年8月21日 3回表阪神2死一塁、中越え2点本塁打を放ったジャスティン・ボーア(左)を迎える藤浪晋太郎(右)(撮影・足立雅史)
2020年8月21日 3回表阪神2死一塁、中越え2点本塁打を放ったジャスティン・ボーア(左)を迎える藤浪晋太郎(右)(撮影・足立雅史)