今年はコロナ禍でどのチームも難しいシーズンだった。巨人に水をあけられた阪神は、開幕からつまずいたのが響いたね。かたや巨人は故障者を出しながらも菅野を中心にまとまった。また編成の勝利でもあったといえるだろう。

阪神も中堅、若手と戦力層は厚かった。その象徴が本塁打、打点のタイトルを争っている大山だ。3回の左越え二塁打、7回の二塁打もしっかりとらえていたね。前のやみくもだったスイングから、いい意味の積極性が結果に表れている。

インコース攻めをどう克服するか注目していた巨人岡本に、広角に打てるヤクルト村上、巨人丸、広島鈴木誠らも加わって、本塁打王争いは面白い。大山にも一長一短はあるが、着実に自信をつけており、十分チャンスはある。

それとシーズン終盤に目についたのは、小幡という若手だった。攻守に面白い。うまく育ててほしいものだね。(日刊スポーツ評論家)