ソフトバンクの敵は楽天野手陣にあり! オープン戦がスタートし、リーグ連覇を狙うソフトバンクのライバル球団の戦力も少しずつ見えてきた。日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(51)が現状の5球団をチェック。楽天については先発豊富な投手陣が注目されるが、実は充実した内野陣こそ要警戒と説いた。【取材・構成=浦田由紀夫】

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昨季のパ・リーグはソフトバンクが優勝し、2位ロッテ、3位西武だった。終盤の優勝争いで一気に抜け出して優勝した。今年の展開を予想した時、楽天のチーム力は無視できない。

浜名氏 5球団を見れば、現状では楽天かロッテが戦力として充実している。特に楽天は内野陣が豊富だ。二塁手浅村に加えて、遊撃手には小深田が固定された。問題は三塁手だと思っていたが、今年の練習試合、オープン戦を見ると茂木が入っている。

楽天は2月13日のロッテ戦で練習試合をスタートさせた。20日から主力級がスタメンに名を連ね始め、「2番遊撃」小深田はほぼ固定で、浅村が指名打者、三塁は茂木と鈴木大、一塁が銀次と鈴木大が守っている。

浜名氏 茂木がポイントだと思っている。彼が元気がいいと打線に厚みが増す。茂木が三塁に固定されると楽天打線は怖い。銀次と鈴木大の調子がいい方が一塁手で使える。内野手は4人だが「5人」で戦っているようだ。ホークスの内野陣も若手台頭で厚みが増してきたが、他球団で内野手が豊富なのは楽天。攻守のバランス的にも脅威になる。

楽天は田中将の加入もあり、岸、涌井、則本、ルーキー早川と先発は豪華布陣。ソフトバンク打線を封じる投手力を整備したとみられている。

浜名氏 先発投手に目がいくが、早川以外は30代で、涌井、岸は30代後半。年齢が上ということもあり、実はあまりホークスにとって脅威とは思っていない。中継ぎ陣の整備がもうひとつだと思うし、それよりも内野陣の層の厚さが楽天の強みになると思う。

昨年はロッテに苦しんだ。11勝12敗1分けと唯一負け越した。やはり今年も警戒が必要となる。

浜名氏 楽天に次ぐのはロッテ。ホークスに強い投手陣がそろっている。オリックス、日本ハムは戦力的に厳しい。西武は今井がポテンシャル通りの力が発揮できれば面白いと思うが、投手力の整備がポイントだろう。

取材を受ける工藤公康監督(撮影・屋方直哉)
取材を受ける工藤公康監督(撮影・屋方直哉)