エンゼルス大谷翔平投手(26)が「2番投手」で出場し、投打で躍動した。投手では4回2/3を投げ、2安打3失点、5四球7奪三振。打者では第1打席で豪快な先制2号ソロを放ち、3打数1安打1打点。マリナーズ時代にメジャー通算129セーブを挙げた佐々木主浩氏(日刊スポーツ評論家)が「リアル二刀流」をチェックした。

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エンゼルス大谷は、スケールの大きなスタートを切った。「2番投手」で先発し、1打席目に特大のソロ。マウンドでは160キロ超を連発し、最速101・1マイル(約162・7キロ)をマークした。シンプルに「すごい」と思ったし、ほれぼれする最高の「二刀流」初戦だった。

この日はスプリットが素晴らしく、あれだけ決まれば、ゲームを優位に運べる。オープン戦の後半から投球フォーム自体は良かったように、非常に真っすぐも走っていたし、高さもベルトより低いラインで良かった。スライダーを含め、左右、高低と全部使え、相手に的を絞らせなかった。

心配されたマメの影響は、投球自体からは感じなかった。最も影響が出る真っすぐも申し分なかったし、あれだけ投げられたのだから、問題ないだろう。今後に向け、指摘するならば球数の多さ。オープン戦での最大の球数は63球で、5回はやや制球が乱れたが、スタミナ面は徐々に上げていけば心配ないだろう。

本塁打は日本人選手では大谷しかできない打ち方。後ろに体重を残しながら、あれだけのスイングができるのだから、相当、体と体幹が強いのだろう。二刀流による体の張り、本塁のベースカバーでの転倒による影響が心配だが、体が万全なら、とんでもないことが起きそうな予感がする。(日刊スポーツ評論家)

ホワイトソックス戦の1回1死、右中間へ本塁打を放つエンゼルス大谷(ロイター)
ホワイトソックス戦の1回1死、右中間へ本塁打を放つエンゼルス大谷(ロイター)
ホワイトソックス戦の5回、本塁ベースカバーに入ったエンゼルス大谷(上)は、滑り込んだホワイトソックス・アブレイユに足をすくわれて転倒する(ロイター)
ホワイトソックス戦の5回、本塁ベースカバーに入ったエンゼルス大谷(上)は、滑り込んだホワイトソックス・アブレイユに足をすくわれて転倒する(ロイター)
4回、三振を奪い雄たけびを上げるエンゼルス大谷(ロイター)
4回、三振を奪い雄たけびを上げるエンゼルス大谷(ロイター)