巨人対阪神の3連戦でもっとも感じたのは、巨人は大変だなということですわ。阪神は1つ負けたが、3連勝してもおかしくなかった。カード2戦目も最終までチャンス、チャンス、チャンスで押し続けましたからね。

この一戦も「岩貞-岩崎-スアレス」で1点を守り切ったように、絶対的な勝ちパターンが確立されているのが最大の勝因です。ベンチにとって「9回打ち切り制」によって計算が立つのは強みといえます。

3安打の近本はここまで好不調の波があったが、これで乗ってくるんと違いますか。ロハスに代わって本塁打を放った陽川も立派でした。あれで4番佐藤輝の3つの空振り三振が目立たなくなった。佐藤輝も振っての三振はいいんです。

このカードはマルテの存在も大きかった。初戦も同点本塁打が起点になってひっくり返した。この日も3回の遊安が敵失を誘って得点に結びついた。マルテをはじめチーム全体がボールの見極めができているのは、巨人との違いですわ。

殊勲者が日替わりで出てくるチームは強い。糸原の調子が下がってくると近本が上昇してくるという図式も長いシーズンを戦う上では理想的ですわ。これにまだ大山が控えているんだから、チーム力が簡単に下降することはない。

ここまでセ・リーグの戦いをみていると、対抗馬としてでてくるとしたら巨人でしょう。でも投手力のもろさに、守備、走塁にミスの目立った巨人より阪神のほうがレベルは上。これで18日から甲子園でのヤクルト3連戦に勝ち越せば独走態勢に入るかもしれませんよ。(日刊スポーツ客員評論家)

巨人対阪神 7回から登板した阪神岩貞(撮影・足立雅史)
巨人対阪神 7回から登板した阪神岩貞(撮影・足立雅史)
巨人対阪神 8回から登板した阪神岩崎(撮影・足立雅史)
巨人対阪神 8回から登板した阪神岩崎(撮影・足立雅史)
巨人対阪神 9回裏巨人2死、162キロストレートで空振り三振に倒れる亀井(撮影・横山健太)
巨人対阪神 9回裏巨人2死、162キロストレートで空振り三振に倒れる亀井(撮影・横山健太)