ソフトバンクが得意のはずの交流戦で11位(5勝9敗4分け)と大きく負け越した。過去8度の優勝を誇ったチームも12年以来、9年ぶりの借金で厳しい「セ界戦」となった。リーグ2位と順位を大きく落とすことはなかっただけに日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(51)は「もっと若手を使っていい。先を見据えた起用も必要」とリーグ戦再開に向け若手の積極起用を訴えた。【取材・構成=佐竹英治】

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ホークスにとって交流戦は厳しい戦いとなった。一気に「セ界制覇」で快走をもくろんだものの、終わってみれば大失速。グラシアルの戦線離脱など、特にチーム打率2割3分3厘と低迷。12球団NO・1の防御率3・04の投手陣をカバーできなかった。

浜名氏 レギュラークラスの選手が年齢が高くなっていることもあるが「絶対的な存在」ではなくなったということ。交流戦を見ていて、もっと若手を起用してはどうかと思った。例えば三森は10日の広島戦(ペイペイドーム)で先発1番ファーストで4安打1打点の活躍を見せたが、翌11日のヤクルト戦(同)では先発から外れた。先発が左投手ということもあってスタメンは川島だったが、三森は結果をきっちり残していただけにもう少し我慢して使ってみたらどうかと思った。

グラシアルの故障離脱や、松田、今宮らの不調など交流戦前から打線には腐心していた。リードオフマンと期待した周東も打撃不振。周東と入れ替わる形で先発出場を増やした牧原大が5月に入って打撃好調だったが左太ももを痛め離脱。苦しい攻撃布陣を強いられた。

浜名氏 打線を固定したいという考えは分かるが、次代を見据えた起用というのも必要ではないかと思う。サード松田の動きは明らかに反応が遅くなっている。三森を一塁で起用した試合があったが、三塁を守らせてもいい。もちろん、栗原もいる。逆に松田に一塁を守らせてもいいと思う。

守護神森の故障離脱などがありながら投手陣は安定した力を発揮している。リーグ戦再開に向け先発陣も石川、マルティネス、和田、武田、東浜、そしてレイと固定された。

浜名氏 ブルペン陣も津森など力があるし、モイネロが戻るまではカバーできると思う。ただ、今後はリード、同点、ビハインドという3つの場面で投げさせる投手をしっかり「固定」したほうがいいと思う。

「先行逃げ切り」がホークスの必勝パターン。その点では打撃陣の先取点奪取が必須となることに変わりはない。

浜名氏 交流戦は終わったけれども、リーグ戦再開し8カード(22試合)を消化するとまた五輪中断となる。約1カ月の中断があるわけで、それまでは積極的に若手を起用してもらいたい。勝つことはもちろん大事だが、いろんなことを試すこともできる22試合ではないかと思う。