先発のジョー・ガンケル投手(29)は、7月14日DeNA戦(甲子園)以来の実戦登板で6回1/3を2失点(自責1)と好投した。

阪神にとって先発ローテーションの入れ替えをしたガンケルの好投は光明だった。

桧山 ガンケルに白星がついたのは大きかったですね。もともとサイドスロー気味で投げるガンケルはツーシーム、カットボールなどの組み合わせで低めに集めてゴロで打ちとるタイプです。2回のオースティンにだけは甘い球を本塁打にされたが、あとはよく踏ん張った。

オースティンの中越え本塁打で追いつかれたが、再びリードを奪ったのは、2番中野の働きだ。3回。ガンケル、近本の短長打で無死二、三塁。DeNA坂本の1-1からの直球に、中野の二ゴロで勝ち越した。

桧山 DeNA内野陣の守備隊形は二遊間が下がっていた。中野が二塁にゴロを打って、あらかじめ打球による指示を受けていた三塁走者ガンケルがホームインしたのは理想的な点の入り方でした。1点リードを奪って、なおも二塁走者の近本も三進した。あの中野の二ゴロが、続くサンズの本塁打の“導火線”になったと言えるでしょうね。

阪神が対戦相手の中でもっとも得点をしているのが対DeNAの計97得点。リーグで唯一防御率4点台のDeNAから9点を奪ってみせた。

桧山 苦手にしていた坂本の甘い球を狙って勝つことができた。でももろ手をあげて喜べるような勝ちではないですよ。この日もやはり2つのエラー(5回大山、6回ロハス)が出ました。スキをみせると相手からいけるぞと思わせてしまう。ミスはつきものですがソツのない野球をやっていかないと。再三言われてることですが、優勝するためにはミスは厳禁です。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対DeNA 6回表DeNA無死一塁、宮崎の左前打を後逸するロハス(撮影・前岡正明)
阪神対DeNA 6回表DeNA無死一塁、宮崎の左前打を後逸するロハス(撮影・前岡正明)