カープにとっては、序盤から劣勢で、8連敗してもおかしくない試合展開だった。しかし最後まであきらめずに集中力をもったことが勝利につながった。相手のミスにも助けられたが、一気に同点からサヨナラ勝ちまで持ち込めたのは、チームの浮上のきっかけになるだろう。

ただし、連敗中は先発が崩れて、試合がつくれていない。先発アンダーソンも状態は悪く、この日の内容では今後の登板も期待はできない。床田が負傷し、先発事情は苦しい。それでもローテーションの再編は必要で、若い投手にチャンスを与えるなど手を打っていかないといけない。

野手では西川龍馬が戻ってきて、打線は固定できるメンバーがそろった。しかし打線は固定してしまうと、思い切った仕掛けができないなど作戦面で動けないこともでてくる。西川の復帰で層が厚くなったのは間違いない。そういった中で状態のいい選手、若い選手をスタメンでどんどん起用していくことも必要だ。この劇的な勝利をきっかけにしなければならない。(日刊スポーツ評論家)