ソフトバンクの宮崎キャンプも折り返しとなった。「競争」をテーマにキャンプインしたものの、野手陣は、内外野ともほぼレギュラーは確定していたように思う。唯一、不確定だったのが「一塁」。だから個人的に言えば今キャンプは「一塁確定」がテーマだった。中村晃、正木、リチャードらが争い、誰が定位置を取るのだろうか? と注目していた。

3年連続ゴールデングラブ賞を手にした中村晃を筆頭に、序盤は2年目の正木が長打力アップで首脳陣の目を引いていた。リチャードも14日の紅白戦で1発を放ち、生き残りへ猛アピール。だが、これは面白いと思わせたのは新外国人アストゥディーヨだ。栗原とともに三塁の守備についているが、一塁起用も十分にあり得るのはでないだろうか。攻守にそつがない。打撃、守備ともに体形に似合わず柔らかさもある。14日の紅白戦では右前打に右犠飛。守備ではグラブ使いも柔軟で、スローイングも安定している。もともと内野はどこでもこなすというユーティリティーが持ち味でもあるだけに一塁にハマれば打線の厚みは増す。

開幕までまだ1カ月以上もある。紅白戦、オープン戦と実戦の中でさらに一塁争いは本格化するはず。中村晃、正木、リチャード、そしてアストゥディーヨ…。レベルの高い、白熱したレギュラー争いを繰り広げてもらいたい。(日刊スポーツ評論家)