まず最初に、ひなたサンマリン球場の風が気になった。

ソフトバンク対西武 8回裏ソフトバンク2死二塁、近藤健介は三飛に終わる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対西武 8回裏ソフトバンク2死二塁、近藤健介は三飛に終わる(撮影・梅根麻紀)

私も宮崎でキャンプをしてきたので、2月と4月で季節の違いはあるが、宮崎特有の風の強さは想像できた。この風をどうバッターが考えるか、と思いながら見ていた。

その中で感じたことは、ソフトバンクも西武もバッターは振るな、ということだ。振りすぎると表現した方がいいかもしれない。左バッターはこの逆風に逆らうように振っていた。強風に負けまいとすれば、力も入る。センターから左方向へ、風に乗せようという意図は見えなかった。

近藤にも、栗原にも、風を使う意識は感じられなかった。柳田のように、もともと振り切るバッターはともかく、状況に応じたバッティングをできる能力があるバッターまで、かなり力いっぱいのミートをしていたように映った。

私は巨人宮崎キャンプ中は、右翼から左翼へ強風が吹いた時には、風に乗せてみようと思い、左方向へ打つことがあった。「風に乗るとこんなに伸びるのか」と、やってみて分かる感触をつかんだ。それを、後楽園や甲子園などで天候に応じて生かしていた。ドーム球場全盛の時代に、両チームにとり、屋外試合は数試合だろうが、最初に自然条件を確認することは大切だ。

ソフトバンクも西武も、同じ宮崎でキャンプを張っている。屋外で打ってきたバッターには、そういう視点があっていいのではないか。センターから逆方向へ打つには、インパクト重視になる。より長くボールを見て、ひきつける、ここがポイントになる。

特に西武先発高橋の素晴らしい出来を考えた時、そうした工夫から打開の糸口を見いだすこともある。試合前の練習の時に天候を考え、相手投手の調子も見ながら、反対方向への打撃を引き出しのひとつにすれば、結局は自分を助けることになる。

強打者が多いパ・リーグだが、この日の天気を踏まえた時、目いっぱい振ることが体に染みついている印象を受けた。(日刊スポーツ評論家)

ソフトバンク対西武 9回裏ソフトバンク無死、柳田は二ゴロに倒れる(撮影・冨田成美)
ソフトバンク対西武 9回裏ソフトバンク無死、柳田は二ゴロに倒れる(撮影・冨田成美)
ソフトバンク対西武 勝利投手になった高橋はファンに手を振る(撮影・冨田成美)
ソフトバンク対西武 勝利投手になった高橋はファンに手を振る(撮影・冨田成美)