阪神が巨人に快勝し、敵地カード勝ち越しで首位タイに浮上した。チームは打撃不振の佐藤輝明内野手(24)を今季初めてスタメンから外し、この日出場選手登録されたばかりの渡辺諒内野手(27)を「3番三塁」で日本ハムから移籍後初めて先発起用。日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(41)は岡田彰布監督(65)の「状態を見極める力」と「モチベーションを下げさせない力」に注目した。【取材・構成=佐井陽介】
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阪神は開幕スタメンから外れていたプレーヤーの活躍が目立ち始めました。先週末からスタメン起用している木浪選手であったり、この日移籍後初アーチを放った渡辺諒選手であったり…。いくら実力のある選手でも、先発に抜てきされた試合でいきなり結果を出すのは簡単ではありません。きっと岡田監督の「練習から状態を見極める力」が効いているのでしょう。
渡辺諒選手は移籍後初スタメンでいきなり3番起用され、三塁でもライナーに飛びつくファインプレーを披露しました。一方で前日12日は1軍に合流しながら出場選手登録はせず、発熱明けの状態を確認しただけ。1日かけてチェックしてから満を持して先発させたところに、岡田監督の判断力の妙を感じました。一方の木浪選手も今季初先発した8日ヤクルト戦から5試合で計15打数6安打。出すタイミングがどれだけハマっているかがよく分かります。
おそらく岡田監督はベンチスタート組のモチベーションを下げない工夫、気遣いもされているのでしょう。開幕直後を振り返れば、小幡選手を遊撃スタメン起用する中で「後ろに木浪がいるから小幡を使える」といった内容のコメントも目にしました。この一言で木浪選手がどれだけ救われたかは、わざわざ説明するまでもありません。
この日も練習の最初はスタメン落ちした佐藤輝選手、森下選手の打撃練習をチェックするため、室内まで足を運んでいたかもしれません。しかも3点リードの7回1死では他の選手でも違和感がない場面にもかかわらず、今度は佐藤輝選手に代打でチャンスを与えています。「監督が常に見てくれている」「状態が良ければ使ってもらえる」と選手が感じられていれば、ベンチスタートに回った選手たちも気持ちを切らさず出番を待てるものです。
順調に開幕ダッシュに成功している阪神。岡田監督の「見る力」と「モチベーションを下げさせない力」も重要な役割を担っているように感じます。(日刊スポーツ評論家)




