開幕して約1カ月が過ぎ、DeNAが6連勝で首位をガッチリとキープした。

昨年、18勝6敗1分けで圧倒している中日だけに、戦いぶりを見ても余裕を感じる。前日の試合ではストッパーの山崎を、そして今試合でも勝ちゲームに登板する入江をベンチ登録から外し、スタメン復帰した宮崎も3点リードした6回裏からベンチに引っ込め、無理をさせない起用法ができていた。

このまま首位を突っ走りそうな勢いで、不安点を挙げるとすれば2番・ショートでスタメン起用している林の使い方ぐらい。今試合でも逆転した直後、ショートからサードを守らせたが、ルーキーに負担がかかりすぎているように感じた。

1点をリードされた5回裏1死二、三塁、内野は前進守備だった。そして打者・細川の打球はショートゴロ。この打球に対して1歩下がってキャッチした林は、握り損ねたこともあってホームには投げられず、三塁走者がホームインした。

前進守備なのだからバックホームしなければいけない状況だが、このプレーで林を責めるつもりはない。アマチュア時代はセカンドを守っていた内野手で、前日の試合でもサードでスタメン出場でしている。責めるどころか「よく守っている」と思うほどだ。

ルーキーをスタメン起用で育てるなら、ショートで固定するべきだろう。まず、ショートとサードでは打者との距離が違うし、打球の質も違う。戸惑いがあったと思う。サードのレギュラー・宮崎が出場しないときは林がサードを守り、大和か京田がショートを守っているが、経験のあるベテラン2人をサードと併用させ、林の負担を減らした方がいい。

打順は2番に起用しているが、打率は1割台。俊足で併殺の確率は少ないメリットはあるが、相手バッテリーは前を打つ1番の佐野への攻めを厳しくできる。今試合で佐野は2安打したが、打率は2割5分前後で、本来の力を発揮していない。林のポジションを固定し、少しでも守備の負担を減らしてやれば、もう少し打撃がよくなる可能性だってある。

チーム状態のいいときはそれほど気にならないが、長いペナントではチーム状態が悪くなるときが必ずある。近々、大物メジャーリーガーのバウアーや実績のあるオースティンも1軍に合流するだろう。上がり目ばかりが目につくが、ショートというポジションは重要。好調なときに、しっかりしたチームの骨格を作っておくべきだと思う。(日刊スポーツ評論家)

プロ野球中日対DeNA 1回表DeNA1死、左前安打を放つ林(撮影・森本幸一)
プロ野球中日対DeNA 1回表DeNA1死、左前安打を放つ林(撮影・森本幸一)
プロ野球中日対DeNA 3回表DeNA2死一塁、盗塁失敗の林(ベースカバーは高橋周)(撮影・森本幸一)
プロ野球中日対DeNA 3回表DeNA2死一塁、盗塁失敗の林(ベースカバーは高橋周)(撮影・森本幸一)