阪神はオリックス曽谷の立ち上がりのまずさに付け入ることができた。3試合ぶりに先発出場の佐藤輝が1回1死二、三塁、1ボールからのストレートを左越え二塁打で加点した。

真弓 打撃が安定しない佐藤輝だが、目の前の結果はあまり気にしないことだ。いい当たりが正面を突いても、空振り三振も、見逃し三振もアウトは、アウト。ただ狙ったボールはドンピシャリでとらえないといけない。次の3回は低め変化球にストレートのタイミングで振りにいったのが結果は空振り三振。なんでもかんでも打ちにいくと、せっかく1回に打ったツーベースはストレートにタイミングが合ったのに、またタイミングが遅れてしまう。でも苦言を呈したいのは三塁のフィールディングだ。

7回。2番手加治屋が登板し、代打茶野の右前打をミエセスがもたついて二進(記録は安打と失策)。野口の中飛で1死三塁から広岡の三塁線のゴロを佐藤輝がはじいた(記録は内野安打)。

真弓 これから首位争いしていくのに、守備のミスは命取りになる。佐藤輝はもっと球際に強くなってほしい。あの三ゴロはアウトにしないといけない。その後の7回2死一塁、杉本のカウント3-2から三遊間寄りのゴロを捕球したが、一瞬、封殺を狙うかのように二塁に目を向ける。一塁走者・宗はスタートを切っているから間に合わないはずだ。最初から一塁に投げていればちゃんとした送球ができている。難しいバウンドの一塁送球を大山がうまく捕球してアウトになった。状況判断? わたしに言わせれば気が抜けてるとしか言いようがない。

これで阪神のチーム40失策は中日と並ぶワーストタイになった。

真弓 チームは開幕から堅い守備をみせてきた。ここは締め直すタイミングだろう。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】