日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏(69)が甲子園で試合をチェック。1点リードの9回に頓宮に同点ソロ、杉本に勝ち越しソロの2発を浴びた守護神の湯浅京己投手(23)について、岡田監督が示唆した2軍降格は賢明な選択と指摘した。【聞き手=松井清員】
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守護神が9回に同点、勝ち越しの2発を浴びる試合はなかなかない。阪神はそれほどショッキングな負けだ。確かに3番森から始まる重い打順だった。だが中前に抜けそうな当たりを中野がアウトにし、先頭を取って楽になったはずだった。頓宮に投じたフォークは抜け、杉本には真っすぐがシュート回転してど真ん中に入った。フルカウントから絵に描いたようなフルスイングであそこまで飛ばされるのは、打者がそれほど速さを感じていないということだ。球速は150キロだったがキレがなく、打者は半速球のような打ちごろに映ったのではないか。
ショックを引きずったまま、2発目を浴びたようにも感じた。頓宮の同点弾でマウンドでしばらくひざまずいた。落ち込みすぎと感じるぐらい、表情にもがっくり感が出ていた。でもまだ同点だ。しまったと心底落ち込んだまま、四球でも歩かせたくないと投じた球に力はなかった。再びがっくり膝を落としたが、まだ9回裏に同点、逆転サヨナラのチャンスがある。野手も見ている。一緒に戦っているのに1人だけ違う方向を向いてはいけない。そういう姿は士気にも影響するし、サヨナラ負け以外では見せるべきではないと思う。
真っすぐがシュート回転し、フォークは抜けて落ちない。代名詞のウイニングショット2つがこの状態では、守護神の継続は厳しいだろう。中継ぎに配置転換といってもベンチに置いておくと、どう起用するかも決断しづらくなる。岡田監督は2軍降格を示唆したようだが、賢明な選択だと思う。本人も相当自信をなくしているだろうし、コンディション、メンタルを含めてリフレッシュさせたい。
守護神には岩崎が戻るのだろうが、7~8回は加治屋、岩貞、浜地、石井らから状態のいい投手で回していくしかない。勝ちパターンの崩壊は、本当にこたえる。好調だったチームに最初の試練が訪れた印象だ。




