交流戦前まで6ゲーム差を離して首位だった阪神が、2位のDeNAに3連敗。ついに首位から陥落した。まだ6月でゲーム差は0・5。本来であれば、順位がひっくり返ってといっても、それほど気にする必要はないだろう。ただ、気になるのは、阪神の戦いぶり。今試合でも最大の“強み”でもある「バッテリーを中心にした守りの野球」ができていなかった。

勝負どころで詰めの甘さが出た。1点差に詰め寄った直後の5回裏の守りだった。簡単に2死を取った後、カウント2-1から牧に二塁打を打たれた。四球を出すよりはヒットでいい場面。ここまでは仕方ないと思っていた。しかし次打者の宮崎に1ストライクから外角の真っすぐを二塁打され、手痛い追加点を簡単に与えてしまった。

追い上げムードを作るためには、なにがなんでも無失点に抑えたかった。悔やまれるのは、宮崎は球界屈指の強打者であり、次打者のソトとの打力の違いは明らか。一塁が空いている状況であり、個人的には申告敬遠でもいいと思っていた。宮崎に打たれた後、ソトに敬遠気味の四球を与えただけに、なぜ宮崎に対してそういう攻めをしなかったのかが悔やまれてならなかった。

安易な攻めは6回裏も続いた。無死一塁、送りバントするバウアーに対し、真っすぐを2球続けてファウル。ここで高めのボールゾーンに真っすぐを要求したが、狙ったところより少し低くなって送りバントを決められてしまった。2ストライクでも送りバントを強行してくるのはみえみえだった。それならば1球、バットの届かないところへの変化球を挟んでもいい。安易に真っすぐを3球続け、送りバントを決められてしまった。そして佐野にタイムリーを浴びた。

宮崎に打たれたのは才木で、バウアーにバントをきめられたのは石井だが、捕手はいずれも梅野だった。先発した才木は真っすぐで押してフォークで打ち取るオーソドックスな本格派だが、7安打のうち初球を変化球で入って真っすぐを打たれたヒットが4本。この手の投手は真っすぐで押して変化球で打ち取るタイプなのに逆のパターンになっていた。投手を生かすリードができていない。

佐藤輝を2軍に落とし、今試合はオーダーを大幅に変えた。打てない打線を考えての起用だろう。しかし阪神の“強み”は強力な投手陣を生かした守りの野球。捕手に坂本を起用し、目先を変えてもいい。バッテリーミーティングを綿密にやるなり、状況によってベンチが細かく指示を出していい。攻撃力を上げるより先に、守備力の向上を最優先にして考えた方が、阪神の強さは発揮できると思う。(日刊スポーツ評論家)