阪神85年日本一の守護神で、05年のリーグ優勝時に投手コーチを務めた中西清起氏(60)がゲームをチェック。

6回1失点で4勝目を挙げた伊藤将司投手(27)をたたえ、岡田監督が後半戦の開幕ローテに、青柳との両輪で優勝争いを引っ張っていってほしいメッセージを込めたと分析しました。【聞き手=松井清員】

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伊藤将の踏ん張りに尽きる。初回いきなり無死一、三塁のピンチを迎えたけど、オスナに二ゴロ併殺打を打たせ、4番の村上も左飛に仕留めて最少失点にとどめた。ヤクルトは4連勝中で、前日の青柳のように初回からたたみかけられると、苦しい展開になっていた。1点でしのいだことで相手に流れを渡さなかった。

カットボールやチェンジアップを低めに集め、うまくゴロを打たせていた。18アウトのうち、三振は1つだけで半分以上がゴロアウト。持ち味で生命線の制球力の良さが抜群だった。走者を出しても辛抱強かったし、落ち着いてけん制でアウトにしたり、本人も試合後話していた「粘り」が際立つナイスピッチだった。

まだ4勝というのは驚きだが、先発13試合で12回もQS(6回以上自責3以内)を達成している。打線の援護に恵まれなかったり、リリーフ陣が打たれたりと不運が続き、いつ勝てるんだと集中力が切れて負のスパイラルに陥ってもおかしくない。この日もなかなか点が入らず似た展開になったが、我慢強く役割を果たし続け、ベンチの信頼はさらに厚みを増したはずだ。

岡田監督は後半開幕戦を青柳、2戦目を伊藤将に託した。前半戦の先発は大竹と村上が引っ張ったが、年間を通しての活躍は未知数で、酷暑でバテがくるかも知れない。つまり、勝負の後半戦は昨年チームで一番勝った2枚看板、青柳と伊藤将が引っ張れというメッセージが込められていると感じる。私が投手コーチでも同じローテを組んだと思う。それだけに前日の青柳は残念な投球だったし、しっかり立て直さないと厳しい優勝争いを強いられる。

最後に、7回のピンチで長岡の大飛球を間一髪好捕した近本をたたえたい。あのプレーがなければ勝敗が逆になっていたかも知れない。近本の復帰でセンターラインの厚みも戻り、投手陣も安心して投げられる。

ヤクルト対阪神 7回裏のヤクルト打線を抑えた阪神岩貞祐太(左)を迎える伊藤将(撮影・前田充)
ヤクルト対阪神 7回裏のヤクルト打線を抑えた阪神岩貞祐太(左)を迎える伊藤将(撮影・前田充)