阪神85年日本一の守護神で、05年のリーグ優勝時に投手コーチを務めた中西清起氏(60)が首位攻防の第2ラウンドをチェック。青柳晃洋投手(29)の4勝目はお預けになったが、スタメンに左の野手8人を並べてきた苦手広島打線を7回1失点に抑えた復活投球は、今後の優勝争いに向けても意味があると分析しました。【聞き手=松井清員】

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青柳は持ち味を存分に発揮したナイスピッチングだった。特に低めへのツーシームが抜群で、ゴロアウトや空振りの三振を重ねていった。青柳のツーシームは低めに制球できるとよく動いてバットの芯を外せる。でも高めに浮くと全く動かず、打ちごろの半速球のようになってしまう。良くない時はこの傾向が顕著だったけど、この日はその危ない球がほとんどなかった。

今季10試合目で初めて組んだ坂本のリードも効果的だった。より低めを意識させていたし、内角もしっかり使った配球が光った。ズドーンと内を突かれた残像は残るし、より変化の多いツーシームが効いてくる。青柳は20年を最後に広島に勝てておらず、前回5月の対戦でもこの日のように野手全員左を並べてきた打線に打たれ、2軍行きを命じられた。坂本は苦手意識を払拭(ふっしょく)させるべく大胆、かつ慎重に攻め、青柳も1球1球の意図を感じて丁寧に投げていた。

岡田監督が後半戦の開幕投手に指名したのは、青柳の復活なくして、優勝争いは勝ち抜けないという期待を込めたものだと思う。そのヤクルト戦は勝てなかったけど青柳も意気に感じているだろうし、広島が今一番のライバルになっている以上、苦手苦手と避けてはいられない。この先の対戦も踏まえ、いろんな意味で大きな復活投球になった。

気になる点を挙げれば、立て続けに2つ走られたことだ。3回先頭でヒットを許した矢野には、大山がバント警戒のチャージで一塁を離れたこともあるが、完全に盗まれていた。さらに適時打を浴びた小園に二盗を決められた。クイックに定評がある青柳が昨年許した盗塁はわずか1つで、今季も梅野と組んだ9試合で0だった。捕手が坂本に替わったことを差し引いても、広島はかなり積極的に仕掛けてきた。もしかすると、クセがバレているのかも知れない。そのあたりは再点検した方が良いだろう。