阪神が球団史上初となる1シーズンで3度目の9連勝をもぎ取った。先発した西勇輝投手(32)が今季初完封で7勝目。2回に8番木浪聖也内野手(29)が放った犠飛の1点を守り切った。貯金は岡田監督史上最多で03年以来20年ぶりとなる「34」。優勝マジックは2つ減って「3」となった。日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)は巨人に好プレーが飛び出しても流れを渡さなかった試合展開に「課題を見つけるのは難しい」と感嘆した。【聞き手=佐井陽介】

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この日の巨人戦は今年のタイガースを象徴する戦い方だったように思います。西勇輝投手は本当に素晴らしい投球でした。先発投手がしっかり試合を作り、捕手も丁寧に1球1球リードする。二遊間は「普通に」ダブルプレーをモノにする。打線は少ない好機を逃さず、しっかり得点につなげる。首位を独走するタイガースの強さをヒシヒシと感じる試合でした。

CS争い真っただ中の巨人側からも気迫が感じられました。まずは西勇輝投手と投げ合った山崎伊織投手の投球内容が非常に良かった。投球リズムも抜群に良く、テンポの良さが好プレーを生み出していました。

巨人から見て1点ビハインドで迎えた8回裏には、三塁にコンバートされた坂本勇人選手が阪神先頭坂本選手の三塁線への打球に飛びつき、アウトをもぎ取りました。さらに続く木浪選手の三遊間へのライナーを遊撃手の門脇誠選手が見事なダイビングキャッチ。こうなると流れは巨人側に傾きがちですが、西勇輝投手がそんな流れを上回る投球を9回表にした形です。

「アレ」の瞬間が間近に迫っても、タイガースナインから必要以上の気負いは感じられません。2位広島とのゲーム差が大きい上に、今季の阪神は点の取り方、抑え方、勝ち方を何パターンも持っているからではないでしょうか。

白熱の投手戦となった試合。巨人にもナイスプレーが飛び出し、流れを明け渡してもおかしくなかったゲームでも、今の阪神にはしっかり勝ちきれるだけの強さがあります。8番打者の木浪選手がチャンスで決勝打を放ち、1点差を守り切る。岡田監督の野球が集約された一戦から課題を見つけるのは非常に難しい、というのが本音です。(日刊スポーツ評論家)

阪神対巨人 8回裏阪神1死、木浪の遊直を好捕する門脇(撮影・狩俣裕三)
阪神対巨人 8回裏阪神1死、木浪の遊直を好捕する門脇(撮影・狩俣裕三)
阪神対巨人 8回裏阪神1死、木浪の遊直を好捕する門脇(撮影・狩俣裕三)
阪神対巨人 8回裏阪神1死、木浪の遊直を好捕する門脇(撮影・狩俣裕三)