阪神の6連敗をネット裏で見た。これが新監督だったら気にもなるだろう。楽天の拙攻もあったが、“傷口”を広げることなく、1点ごとの最少失点にとどめた。戦力も把握している経験豊富な監督だから心配はいらない。

ただ、今年初の甲子園でのゲームということもあったが、ポロポロとミスもでた。2回には佐藤輝が飛球を捕りそこねた。ちょっと腰高だったから、もっと重心を低くしながら慎重にいかないとね。

5回1死二塁の場面、茂木の左前打にチャージした前川が後逸した。うまく処理できなかったが、二塁走者フランコが三塁で止まりかけていた。その状況判断ができればプレーも変わってくる。

また阪神が同点に追いついた直後の3回、先発伊藤将が先頭で足の速い1番小深田を四球で出塁を許した。案の定、二盗を決められて失点した。実績のあるピッチャーだけにもったいなかったね。

一方で、明るい材料もあった。出遅れていた大竹が順調をアピールした。7回2死から、なぜかクイックで投げたところを、渡辺佳に右越え本塁打を放たれたが、開幕に向けて問題はないだろう。

ゲラの甲子園デビューは、改めて大きな戦力になるのを実感した。キャンプでも評判だったが、やはり制球が乱れない。8回の打者4人に投じた計17球のうち15球がストライクだったことが証明した。

8回1死から黒川に対し、外から外へのスライダー、次にアウトローに配し、最後は高めの155キロ直球で空を切らした。クイック投球と沈む球をチェックしたかったが、現状では8回、あるいは9回を任すこともできるとみたね。

(日刊スポーツ評論家)