阪神は18年以来6年ぶりのオープン戦最下位が確定した。先に試合が終わった11位ロッテが中日に敗れ、引き分け以上で最下位から脱出できた最終戦。オリックスに7回に勝ち越しを許し、3勝14敗1分けで最下位が決まった。

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開幕を目前に控えた監督には、どこまでいっても不安がつきまとう。私も経験してきたが、オープン戦でいくら勝っても安心はできないし、心配がかき消されることはない。

最終のオープン戦でも近本、大山、森下らがスタメンから外れ、結局ベストメンバーはそろわずじまいだった。誰が見ても万全でないのは明らか。だが昨年の日本一チームだけに、戦力さえ整えば勝算は立つはずだ。

開幕カードの巨人戦での先発が予想される才木は1回に変化球でストライクが取れないところを、4番頓宮にストレートを投じて適時二塁打を浴びた。立ち上がりに残した課題を解消したい。

巨人戦は青柳、大竹、才木の順番のようだ。門別は何かあれば起用するだろうが、まだ時間がかかるとみる。村上も少し心配。各投手が立ち上がりを乗り切って、最少失点に抑えながら勝機をうかがいたい。

リリーフにしても、この日のオリックス戦では7回途中から島本をつぎ込んで逆転されたが、本番になればまた違った継投になるだろう。そこに6回の1イニングを抑えた岡留が使えれば心強い。

新戦力という点では、投が岡留なら、打は右二塁打を放った前川になる。この2人の成長は現有戦力アップを意味するもので、外国人も芳しくない現状ではチームのカギを握っている。

また、中野の調子が上がってきたのは大きい。昨季のように“つなぎ”の役割ができれば得点が見込まれる。佐藤輝も脱力した打撃をみせている。投打に仕上がったとはいえないが、オープン戦最下位でも阪神優勢の見立てを変えるつもりはない。(日刊スポーツ評論家)

オリックス対阪神 オリックスに敗れ引き揚げる阪神岡田監督(中央)(撮影・前田充)
オリックス対阪神 オリックスに敗れ引き揚げる阪神岡田監督(中央)(撮影・前田充)