単純にどちらが勝つかを見ていれば、とても面白い試合だった。負けられない巨人が中盤まで5点をリードされ、そこからの逆転サヨナラ勝ち。その中で目を見張ったのが、9回裏2死一、二塁から巨人佐々木俊輔外野手(25)が選んだ四球だった。

レギュラーの座を奪取するために、どうしても打ってアピールしたい立場。そして、次打者は3番の吉川。吉川は前の打席でも3番手でリリーフした伊原から先頭打者で内野安打を放っている。選手としての実績も違う。当然、阪神バッテリーは佐々木との勝負を選択。そんな流れで迎えた打席だった。

カウント2-2。伊原のコントロールも素晴らしく、際どいところを攻めてきた。ファウルで2球、粘った。そこから外角低めの真っすぐを見逃してボール。追い込まれているだけに、ストライクと判定されれば「際どいコースだし、手を出さなければいけない」と言われそうなギリギリのコースだ。しかし、手を出さずにフルカウントにした。

ここから3球、ファウルで粘った。塁は埋まっていて、2アウトでフルカウントになれば、走者はスタートを切れる。そんな状況になっても、阪神バッテリーは佐々木と勝負した。先ほどの見逃されてボール判定となった外角低めの真っすぐから、少しだけ内側から外にズレるカットボール。打ちたい気持ち。勝負してくるという読み。相手の攻め方。手を出していい状況だが、この球を見逃して四球を選んだ。吉川の決勝打はさすがの一打だが、四球で満塁とし、内角球で攻めにくい状況をつくった佐々木の貢献度は高かった。

それでも独走を続ける阪神にとっては、痛くない1敗。後半戦は各チーム、阪神包囲網を敷いて、セ・リーグを盛り上げていってもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

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巨人対阪神 9回裏巨人2死一、二塁、佐々木は四球を選ぶ(撮影・浅見桂子)
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巨人対阪神 9回裏巨人2死一、二塁、打席で粘りをみせ、ボールを見極める佐々木。投手伊原(撮影・清水貴仁)
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