阪神が2度の雨天中断を挟み4時間超となった一戦で大敗した。先発の伊藤将司投手(29)がともに自己ワーストの被安打14、8失点で3敗目。2番手の工藤泰成投手(23)も押し出しを含む連続四死球と崩れた。日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(41)はCSメンバー入り当落線上の投手たちの投球内容に課題を感じ取った。【聞き手=佐井陽介】

◇ ◇ ◇ ◇

個人的に阪神工藤投手の投球に注目していました。それだけに残念です。7点ビハインドの5回2死一、二塁で登板して、先頭打者の3番内山選手にストレートの四球。2死満塁では4番北村恵選手への初球156キロがすっぽ抜けて押し出し死球。最後はなんとか5番オスナ選手をカットボールで遊ゴロに仕留めましたが、直球は全6球が大きく外れるボール球でした。このような投球を見せられると、首脳陣はなかなかポストシーズンでは起用しづらいでしょう。

前日20日のDeNA戦も含め、気になっているポイントがあります。CS当落線上にいる投手たちから「オレを使え」という気迫が伝わってこないのです。前日は6回に登板した椎葉投手が2死を奪ったあと、突然コントロールを乱しました。ストレートの四球を与え、続く2人にもボール先行。結果だけを見れば1イニングを無失点に抑えていますが、案の定、一夜明けて出場選手登録を抹消されてしまいました。

工藤投手と椎葉投手に共通しているのは、打者と戦えず自分と戦っている点。どうしても自信なさげに投げているように映ります。誰もが理解している通り、彼らにとって今の時期の1戦1戦はCSファイナルステージに向けたテストでもあります。絶対に結果を出したいという気持ちが手元を狂わせているのかもしれませんが、そのような心技体の状態ではとてもポストシーズンのマウンドは任せられません。

6回にプロ初登板した茨木投手は2イニングを無安打無失点と好投しました。デビュー戦としては上々の結果と内容を残しましたが、1イニング目は1四球も含めてややボールが高かった印象です。リーグ優勝決定後、すでに何人もの投手が千載一遇のチャンスをもらっています。ただ、このままでは優勝に貢献した鉄壁リリーフメンバーの牙城を切り崩すのは難しいかもしれません。(日刊スポーツ評論家)

20日のDeNA戦で3番手で登板した阪神の椎葉
20日のDeNA戦で3番手で登板した阪神の椎葉