ソフトバンクは開幕から苦しみ、2度の5連敗もあって、5月1日時点で借金7の最下位。そこから盛り返した。私は首脳陣の修正力の柔軟性と、それに応えた選手の総合力と受けとめている。

投手陣は救援陣のヘルナンデス、オスナの状態が上がらないと見るや藤井、松本裕、杉山でバチッと形をつくった。いつまでも開幕前のプランに引きずられず、現有戦力に見合った方針変更で、窮地を脱した。

山川が不調ならば、代打専念と目されていた中村晃を使って打線をよみがえらせ、外野陣も故障者続出の苦しい事情の中、佐藤直、緒方、笹川など若手を好不調で使い分け、そして開幕時は2軍だった柳町は、今やタイトル争いをしている。

こうして選手をまんべんなく使いながら、これまでのホームラン頼みの攻撃から、盗塁と犠打を絡める幅のある点の取り方を実践したのも光った。優勝したのだから、攻守にわたり機能したのは当然だが、苦しかった春先を見ると、過去の戦いに固執せず、鮮やかともいえる切り替えの良さは秀逸だった。

FAで獲得した上沢、復調した有原、そこにモイネロ、大関の2ケタ4投手が安定感をもたらし、交流戦での優勝を弾みに、見事なV字回復での逆転優勝と言えるだろう。

甲斐がチームを去り、これがどう影響するのか、私はそこを着目していたが、海野、谷川原、そしてこの事態を想定していたかのように補強していた嶺井によって、甲斐ショックを最小限に食い止めた。

もちろん、盗塁阻止、巧みなブロッキング、投手との信頼関係という側面から、甲斐が抜けた影響は投手陣に及んだはずだが、チームの優勝という結果には影響を与えなかった。チーム編成を担った球団がよく備え、臨機応変にベンチがタクトを振り、それに選手が応える、三位一体の強さを感じた。(日刊スポーツ評論家)

西武対ソフトバンク リーグ優勝を決め、笑顔でインタビューを受けるソフトバンク小久保監督(撮影・岩下翔太)
西武対ソフトバンク リーグ優勝を決め、笑顔でインタビューを受けるソフトバンク小久保監督(撮影・岩下翔太)
祝勝会でビールかけをする柳田(右)(撮影・足立雅史)
祝勝会でビールかけをする柳田(右)(撮影・足立雅史)
祝勝会でビールをかける近藤(撮影・足立雅史)
祝勝会でビールをかける近藤(撮影・足立雅史)
祝勝会でビールを浴びるヘルナンデス(撮影・足立雅史)
祝勝会でビールを浴びるヘルナンデス(撮影・足立雅史)
乾杯のあいさつとともに盛り上がるソフトバンク周東(中央)ら(撮影・垰建太)
乾杯のあいさつとともに盛り上がるソフトバンク周東(中央)ら(撮影・垰建太)
ビールかけを楽しむソフトバンク小久保監督(左)、中村晃(中央)、栗原(撮影・垰建太)
ビールかけを楽しむソフトバンク小久保監督(左)、中村晃(中央)、栗原(撮影・垰建太)
ビールかけを楽しむソフトバンク中村晃(撮影・垰建太)
ビールかけを楽しむソフトバンク中村晃(撮影・垰建太)
西武対ソフトバンク リーグ優勝を決め、ナインから胴上げされるソフトバンク小久保監督(撮影・岩下翔太)
西武対ソフトバンク リーグ優勝を決め、ナインから胴上げされるソフトバンク小久保監督(撮影・岩下翔太)
記者会見に臨むソフトバンク周東(撮影・井上学)
記者会見に臨むソフトバンク周東(撮影・井上学)