阪神とソフトバンクのチーム力は、投打とも互角とみていた。その上で、日本シリーズは阪神が勝ちきると読んでいただけに、先に1勝した後の4連敗は想定外と言うしかなかった。
2点リードの8回、石井が柳田に左越えの同点本塁打を浴びたのは、初球ストレート。左から右に吹く風を考えても、阪神バッテリーが外角に配するのは理解ができた。
それにバッター目線からいうと、いかなるレベルの打者であっても、逆方向にホームランを打つのは容易なことではない。だから決して石井の失投ではない。長距離打者の本領発揮といえた。
延長11回は、村上が右の野村に勝ち越しの本塁打を浴びた。これも真っすぐをライトスタンドに運ばれた。引っ張られた一打ならともかく、逆方向に打たれたのは、相手をほめるしかなかった。
日本シリーズは阪神が先勝した後の第2戦がポイントになった。先発が才木ではなく、デュプランティエを立てた根拠がわからなかった。1回2/3を7失点で裏目に出たばかりか、1対10で大敗を喫した。
これでシリーズの潮目が変わってしまった。デュプランティエは約2カ月ぶりの1軍登板だったし、村上に続いて、才木が先発していれば違った展開になっていたのではないだろうか。
また振り返ったときに浮き彫りになったのは、代打層の薄さだ。チームの空気を変える糸原、原口らの出番がなかった。ソフトバンクの地力をまともに感じながら、今後のチーム作りの課題が見えたシリーズだった。(日刊スポーツ評論家)




