才木は前回、広島岡本との投げ合いで良い投球をしながら7回1失点で負けました。この日も同じような展開で、先に点を取られていれば嫌な雰囲気になるところでよく我慢しました。そして立石です。竹丸との投手戦の様相で1点でも先制できればというところで、本塁打で2点取れたのは非常に大きかったですね。

立石の特徴は、本塁ベースから離れて立っていることです。当然バッテリーはバットが届かないんじゃないかと外を攻めたくなる。でも立石は外角でも引きつけて、ベース寄りにポイントをもってこられる懐の深さがあるのでジャストミートできる。スイングも速い。手元まで引きつけている分、ストライク、ボールの見極めもできる。実は外角がめっぽう得意な打者です。

あこがれが元巨人の長野と言っていますが、ベースから離れて立つ姿勢も含めて、打撃スタイルが非常によく似ています。長野もそうでしたが、外角を引きつけて打つので、良い時の打球方向は、引っ張ってレフト線というより、左中間から右中間が多くなる。竹丸から放った右中間への2ランは、その典型でしょう。

デビューからここまでの活躍は見事というほかありません。ただし、今は相手も手探りの段階です。ここまでは外への配球が多い印象でしたが、これからは内にもくるでしょう。でもベースから離れて立っている分、普通の打者に比べて厳しいコースではないと思います。ただし、外角にめっぽう強いことが分かったので、相手も執拗(しつよう)に内角を攻めてくるはずです。その時も、これまでと同じ心理状態でいられるか。この1週間で並の新人ではないことは分かりました。1ランク上の攻めにどう対応していくか。交流戦の立石VSパ・リーグに注目です。(日刊スポーツ評論家)

巨人対阪神 5回表阪神2死一塁、プロ初本塁打を放った立石正広(手前)を笑顔で出迎える森下翔太ら阪神ナイン(撮影・浅見桂子)
巨人対阪神 5回表阪神2死一塁、プロ初本塁打を放った立石正広(手前)を笑顔で出迎える森下翔太ら阪神ナイン(撮影・浅見桂子)