DeNAアレックス・ラミレス監督の変貌ぶりが際だっている。開幕直後こそ出遅れたが、4月に17年ぶりの8連勝をするなど、首位争いを早くも繰り広げている。その中で目立つのが、ラミレス監督の采配だ。開幕3試合目で、不調とみた桑原の打順を下げた。昨季全試合で1番に置いたリードオフマンを交代。さらに、28日の中日戦からは9番倉本を一昨年4月以来2年ぶりにベンチへ下げた。

 辛抱強く、我慢強く、選手がスランプを抜けるまで待つ印象が強かった昨年。3年目の今季は意図的に方針を変えている。春季キャンプが始まる前日ミーティングでこんなことを言ったという。「ポジションを1度つかんだら絶対に離すな。なぜなら今年は絶対に勝つんだ。優勝をするんだ。そのために調子の悪い選手を我慢して使い続けることはしない」。競争を促し、言った通りの采配を振っている。

 実際に、起用した選手が見事に当たっている。1番打者として起用されているドラフト2位神里和毅は盗塁数でリーグトップを走る。代打でプロ初本塁打を放ち、二塁で先発に抜てきされたドラフト7位宮本秀明は、2試合連続本塁打で応えた。「今年は代えられる選手がいる。安定的に結果を出さないと、他の選手がそのポジションを奪うんだということ」。もちろん見放したりはしない。練習からしっかりと見極め、再びチャンスを与える。そうやって優勝できるチームを作りあげていく。【DeNA担当=栗田成芳】