<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク8-0広島>◇15日◇ヤフオクドーム

 工藤ホークスが4カードぶりに初戦を取った。それもホームラン4発に投手陣が完封リレー。王者のゲームメークと言うべき戦い方でセ・リーグ首位を走る広島を蹴散らした。

 これで今季の勝利数は32勝。足踏みはしたが、メモリアルの数字に「王手」をかけた。工藤監督の監督通算勝利300勝にあと1勝とした。就任4年目。この日の試合が490試合目。監督就任から500試合以内で300勝に到達したのはプロ野球史上、過去3人しかいない。藤本定義氏(430試合)、水原茂氏(455試合)、石本秀一氏(483試合)の3監督だけである。いずれも、半世紀以上も前の達成者。近年の監督ではまさに工藤監督の数字は「快進撃」を証明している。

 ダイエー時代からの王監督、前任の秋山監督も、この数字には及ばない。王ダイエー時代は就任4年目で200勝を超えるのがやっと。秋山監督も4年目の秋には300勝にたどり着いたが、工藤監督の勝利スピードには届かない。監督3年で2度の日本一。15年、17年にはシーズン90勝以上を記録しているだけに、300勝は、当然といえば当然の「通過点」となるが、あらためてここ数年のホークスの「強さ」を実感させられる数字ではある。

 さて、故障禍に苦しむチームに、このスピード感を持続することはできるのだろうか。今の戦いもさることながら、「世代交代」という厳しい難題も、追いかけてくる。これからは与えられる戦力でなく、生み出す工夫も必要になってくる。【ソフトバンク担当 佐竹英治】