<ソフトバンク1-4ロッテ>◇1日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク王会長がホークス監督だったころ、よく言っていた。

 「投手はコントロール。打者は選球眼。これが大事なんだよ」。

 きわどく投げ込む制球力に対して、しっかりと打席で見極める選球の眼力…。相反する課題を克服できるチームが勝利を手にするのだ、と。

 この日のホークスは残念ながら裏目に出た。先発バンデンハークを含め4投手で12四死球。ロッテの残塁11もあって「大敗」とはならなかったものの、星はきっちり落とした。またしても先発投手が勝てない。それどころか、Bクラス転落の危機が目前に迫ってきた。

 ロッテとの3連戦を振り返ると、初戦をサヨナラ勝利したものの、連敗。奪首を目指すチームの戦いというよりも、むしろ「下位低迷」阻止の必死の攻防戦のように感じられた。チームの雰囲気は今季最悪だろう。故障者が続出の影響? もうそんなことを言っている場合ではない。現有戦力でどう戦い抜くか。その気概と気迫が感じられないのだ。追走するロッテの方が「チーム一丸」の雰囲気を醸し出していただけに、今後の行方に不安が募る。

 ベンチは珍しく6回の守備から松田をベンチに下げた。5回表。2失点につながるロッテ中村の左前タイムリーは、サード松田のグラブの下を抜けた打球だった。その裏の打席で松田は無死二塁の場面で空振り三振。攻守にさえないと判断したのだろう。だが、その後のベンチで松田を気遣うような工藤監督の姿があった。何で代えたのだろう。ケガでも故障でもないのなら、交代指令に気遣いは無用だと思うのだが…。【ソフトバンク担当 佐竹英治】