<ソフトバンク1-3日本ハム>◇11日◇ヤフオクドーム

 工藤ホークスにとって痛恨の1敗となった。2位日本ハムとの地元3連戦。初戦を取ってにじり寄ったが、この日負けて再び借金。試合を消化して苦しみは変わらなかった。

 8・11。この日はソフトバンク孫正義オーナーの61歳の誕生日だった。「1位以外は敗者」と言ってはばからない孫オーナーの「何でもNO・1がいい」という思想に、秋山監督時代から「リーグV」が至上命令となった。首位西武にはこの時期、10ゲーム差以上も離され、目の上の日本ハムには苦戦を強いられている。だが、このチームには限りなく「下方修正」は許されていない。「めざせ世界一!」の球団スローガンのもと、毎年Vの厳命が下っている。

 たまたまだろうが、球団がスタートした05年から昨年までリーグVした年の孫オーナーバースデーの「8月11日」は白星か試合なし、である。過去3度の黒星(09年、13年、16年)はすべて優勝を逃している。何とも不気味なジンクスではあるが、打破するしかない。データは過去のものなのだ。

 この日、セットアッパーのスアレスが約2年ぶりにマウンドに帰ってきた。残り試合、ブルペン強化で「逃げ切り勝ち」を目指すのだろうが、不安は何と言っても先発陣。心強い助っ人の復帰ではあるものの、何より追う展開では彼らの出番も減少する。残り47試合。忠臣蔵の「四十七士」ではないが、47人の先発投手の起用法が最大の課題のように感じるのだが…。【ソフトバンク担当 佐竹英治】