中日佐藤優(2018年9月8日撮影)
中日佐藤優(2018年9月8日撮影)

中継ぎ、抑えが定まらなかった今季の中日。37回も逆転負けを喫し、6年連続Bクラスに沈んだ一因だった。しかし、終盤にはロドリゲスと佐藤優投手(25)が台頭。セットアッパー、ストッパーの両輪として活躍した。佐藤は、今季キャリアハイとなる42試合に登板、1勝2敗5セーブ、10ホールドをマーク。防御率2・08と安定した数字を残した。

プロ入り3年目。昨年までは先発にこだわった。しかし今は違う。「与えられた役割を果たしたい。いまはチャンスをつかみきりたい。役割をきっちり決められるようになりたい」。今季も最後の守護神候補だったが、ゲームの最後を任せられなかった場面もあった。竜の守護神だった与田新体制では、不動の守護神を目指している。

今季2人のレジェンド投手が中日を去った。守護神だった岩瀬、セットアッパーの浅尾だ。彼らの姿が、佐藤を後押ししている。ブルペンでは岩瀬はいつも同じルーティンでマウンドに向かった。「緊張しなくなったらダメだ」と岩瀬から教わった。浅尾は指名されたあと、震える足を見られながらも、堂々とマウンドに立った。

岩瀬のハート、浅尾の勇気。これからのブルペンに、心強かった先輩はいない。しかし、その残像は佐藤の脳裏にはっきりと刻まれている。【中日担当 伊東大介】

浅尾(左)と岩瀬
浅尾(左)と岩瀬