<SMBC日本シリーズ2018:広島2-2ソフトバンク>◇第1戦◇27日◇マツダスタジアム

平成最後の日本シリーズは第1戦からいきなりの「総力戦」となった。西武とのCSファイナルSを5試合44得点と打力で制した工藤ホークスにとって、まったく様相の違った戦いとなった。先発千賀が初回に2点を失い、追う展開となった。指名打者(DH)制のないセ・リーグ球場でのこの2試合、代打の出しどころもゲームを左右する大きなポイント。5回2死二、三塁で千賀の打席に代打デスパイネを送り、敵失も誘って2得点。追いついた。

広島にとっては痛恨事だったろう。緊迫戦の中で「ミス」は文字通り命取り、である。シリーズ開幕を迎えるにあたって、ホークスのキャプテン内川は言った。「(マツダスタジアムの)雰囲気に惑わされないようにしないといけない。自分たちのペースでやれるか。声援の大きさで試合の流れが大きく変わることもあるので」。心配事はホームチームである広島に出た。360度、真っ赤に染まるスタンドの威圧感はイニングを重ねるごとに薄らいだようにも感じた。海の向こうではワールドシリーズ第3戦でドジャースが延長18回の末、サヨナラ勝利。7時間を超える気の遠くなるようなロングゲームを制して、ようやく本拠地で白星を手にした。

延長12回。グラシアルが中飛に倒れ、ホークスの勝利はなくなった。敵のミスから同点に追いつきながら試合をひっくり返すまでいかなかった。それにしても強烈な内角攻めに苦しんだ4番柳田の打撃が気になる。今後を左右する執拗な広島の柳田封じだった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】