取材をしていると、ハッとさせられる言葉に出会うことがある。

先日もあった。21日、FA移籍に伴う人的補償で巨人から加入した内海哲也投手(36)が入団会見でこう言った。

「環境が変わるのはチャンスだと思ってやります」

「(移籍を)前向きに捉えて、野球人としてレベルアップしたいです」

プロ入りから15年間も過ごした古巣を、思わぬ形で去ることになった。心中は察してあまりある…と簡単には書きたくない。とにかく確かなのは、会見での言動が大変に素晴らしかったということ。恨み言は一切なし。1つ1つの質問に対し、質問者の目を見て、丁寧に、また極めて前向きに答えていた。恐らく、あの10数分間で、西武ファンの心をわしづかみにしたと思う。

で、本題。なぜ、彼の言葉にハッとさせられたかというと、私も環境が変わるから。1月から12年間やってきたプロ野球担当を離れ、アマチュア野球(高校、大学、社会人など)を担当することになった。上司から言われた時は、正直、戸惑った。嫌とか、嫌じゃないとかではなく、まさに戸惑い。そんなモヤモヤを抱いているところ、内海の言葉に出会った。あれほどの選手になぞらえるのはおこがましいが、担当替えを前向きに捉えて、記者としてレベルアップするチャンスと思って取り組もう、と思わせてくれた。

担当記者として西武内海を取材できないのは少し心残りだが…最後に良い言葉に出会えたことに感謝します。【西武担当 古川真弥】