<ソフトバンク5-4西武>◇29日◇ヤフオクドーム

ソフトバンクの開幕劇場は「起承転結」の「転」で大きく暗転した。先発千賀が161キロの剛球スタートを切って、西武打線を力でねじ伏せた。打線も松田宣の先制アーチ、中押しと理想的な展開。文字通り「完勝ストーリー」のはずだった。8回に西武山川のグランドスラムが飛び出して延長…。11回にサヨナラ勝利でケリをつけたが、昨年のリーグ王者相手にさすがに楽な試合とはならなかった。

西武との開幕カードはダイエー時代の99年以来、20年ぶり。この年、チームは福岡移転初のリーグV&日本一に輝いたが、この開幕カードは0-1の惜敗に終わっていた。もちろん、20年も前の話だ。陣容はガラリと変わったが、昨年同様チームにとって「難敵」であることは間違いない。

ホークスにとっては甲斐野、奥村とフレッシュな顔ぶれがいきなり活躍した。新陳代謝を図るチームにとってはうれしい新人くんの活躍だったが、同時にやはりベテランの力も必要なシーズンを実感した。この2年、ケガに泣かされた内川は6番一塁で先発出場。5回の中前適時打を含め2安打の活躍をみせた。中押しとなった5回のタイムリー打に「シンプルに投手の足もとを狙って打ちにいった」と、広報にコメントを託した。外に落ちるフォークボールをコンパクトにはじき返す打撃力は、さすがのひと言。これで通算安打数は2045本となって歴代43位タイに浮上した。もちろん、まだまだ数字は伸びていくはずだ。今季はキャプテンから解放されたものの、チームけん引の意識は誰よりも胸に刻んでいるはずだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】