<ソフトバンク9-2オリックス>◇28日◇ヤフオクドーム

ソフトバンクが「祭り」の最後を派手に決めた。3連敗で消沈していた打線に勢いをもたらしたのは「3番内川」の一打だった。初回1死から今宮が四球で歩く。カウント1-2と追い込まれた4球目。フォークボールにタイミングを外されながらも左中間を割る二塁打を放った。

「うまくバットに乗ってくれましたからね」。プロ通算350二塁打。史上43人目のメモリアル打。試合後、内川は納得の表情で記念の一打を振り返った。松田宣の右前打で2点を先制。ホークス打線は4回までに2ラン3発も飛び出し、9点を挙げた。内川は3回の先頭打者でも左前打。デスパイネの2ランを誘導した。

マルチ安打は今季19度目。通算マルチ安打も603回となった。現役トップの数字である。600回をクリアしたとき、内川は「いろんな数字があるんですね」と気にしたそぶりは見せなかったが、600回以上をクリアしているのはプロ野球史上ほかに16人しかおらず、16位山本浩二氏(元広島)の629回に少しずつ歩みを進めている。この日の2安打で通算安打数も2126本となった。清原和博氏(元オリックス)の2122本を抜き26位にジャンプアップしている。

チーム状況もあって固定された打順でボックスに入ることはない。だが、厳しいV戦線を勝ち抜いていく上で内川、松田宣らベテランの力は必要不可欠。希代のヒットマンにとっても復調のきっかけとなったことだろう。【ソフトバンク担当 佐竹英治】