<ソフトバンク6-3日本ハム>◇12日◇ヤフオクドーム

何とかして首位ソフトバンクとの差を埋めたい-、そんな思いで福岡に乗り込んで来た日本ハムだったが「山の日」を挟む3連休の3連戦は、屈辱的な3連敗で終わった。グラシアル、モイネロのキューバ代表組が帰国し、福田、中村晃ら故障組が大挙復帰。戦力が膨れ上がった工藤ホークスに初戦の逆転負けでつまずいてズルズルと暗いトンネルにはまり込んでしまった。ホークス3戦を含め、これで今季ワーストタイとなる6連敗。普段は明るく努める栗山監督も厳しい表情で福岡を後にするしかなかった。

そんな日本ハムに「不動山」のように立ちはだかった工藤ホークスは、さらに勢いを加速させることができるだろうか。2位に5ゲーム以上も差を広げて「独走」の気配すら漂ってきた。他球団がうらやむほどの大戦力。未曽有の故障者続出を耐え忍んで好位置をキープした。そして最終盤に柳田も復帰となれば他球団の戦意も喪失だろう。やはり長丁場のペナントレース、持つべきものは「戦力」なのだろう。ペナントレースの舞台裏では来季を見据えた各球団の「補強戦略」もうごめいているはずだ。

それにしてもこの3連戦は両者万全の態勢でのゲームを見たかった。象徴的だったのは「4番」の差だった。右手故障の影響もあったのだろう。日本ハム中田はまったく精彩を欠いた。初戦は先発を外れ、代打出場。計9打数1安打、1打点。ソフトバンク・デスパイネはグラシアル、モイネロの合流に気をよくしたのか10打数4安打、6打点…。この日は2発を放って存在感を見せつけた。

今のホークスの勢いは、そう簡単に止まりそうにない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】