<ソフトバンク3-2楽天>◇5日◇ヤフオクドーム

負けられない試合を、ソフトバンクはきっちりものにした。ピタリと背中を追う西武とのV戦線。ベテラン高谷の今季1号アーチが飛び出したものの、先制、中押しの2得点はきっちり「タイムリー打」で挙げて逃げきった。

12球団トップのチーム本塁打168本が示すように、ホークス打線は豪快な打撃が売りである。4日までの2戦の得点はすべて6本塁打(計8点)で挙げたものだった。「ホームラン以外で得点がほしいね」。王球団会長は連勝にも少しばかり注文をつけていたが、打線が答えを出した。

ホークスの総得点に対する「本塁打依存度」は群を抜いている。この日の高谷の1発を含め、今季523得点に対して本塁打で挙げた得点が250点。実に48%が「本塁打得点」だ。ちなみに、西武打線は684得点のうち、253点が本塁打で挙げたもの。総得点の37%とホークスと比較しても10%の開きがある。総得点差も150点以上あり、本塁打以外でも「山賊打線」は、一気にたたみかける攻撃がうかがえる。

ホークスにとって残り18試合はまさにサバイバル。一戦必勝のトーナメント戦を誓って戦っているが、戦略も「アーチ依存」でいるわけにはいかない。6回2死から内川、松田宣の連打で中押ししたように「つなぐ」意識は緊迫したゲームの中ではさらに重要になってくる。豪快な空中戦は破壊力満点だが、大味な攻撃となる負の可能性もある。6日からは今季6勝15敗と大きく負け越している苦手ロッテとの4連戦。眼下の敵レオも気になるが、4連戦がVロードを大きく左右することは間違いない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】