<阪神6-3中日>◇29日◇甲子園

引退試合に先発した阪神ランディ・メッセンジャー投手(38)が打者1人と対戦し、全球直球勝負で締めた。

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マウンドでは荒々しさを見せていたメッセンジャーも、グラウンドを離れれば心優しいジェントルマンだった。

昨年のこと。メッセンジャーは、京都共栄学園野球部の三木慶太さんと知り合った。三木さんは13年の京都府福知山市の花火大会で起きた露店の爆発事故に巻き込まれていた。そんな困難を乗り越える姿をメッセンジャーは記事で知り、心を動かされた。サイン入りユニホームと自著を贈った。

昨秋、三木さんと家族がお礼に訪れた。三木さんがお礼の手紙を読むと、メッセンジャーは「数々のトロフィーが置いてあるところに、手紙を飾らせてもらうよ」と喜んだという。

三木さんは「素晴らしい人でした。どんな人に対しても同じ接し方で、本当に優しい方」と振り返る。

メッセンジャーがプレゼントした本には、こんな言葉が書かれていた。

「Never stop working good things happen to hard workers!!」

努力することを止めないで。努力家にはいいことが起きる-。

虎投を支え続けてきた大黒柱右腕の熱く優しきハートが垣間見えた。【阪神担当 磯綾乃】

メッセンジャーが京都共栄学園硬式野球部の三木慶太さんに贈った自著(京都共栄学園硬式野球部・神前俊彦監督提供)
メッセンジャーが京都共栄学園硬式野球部の三木慶太さんに贈った自著(京都共栄学園硬式野球部・神前俊彦監督提供)