10年前は「チェン+阪神」とくれば、真っ先に1人の名前が脳裏に浮かんだものだ。熱心な虎党の方なら、その意味にもうお気づきかもしれない。

「来年は交流戦で対戦できるかなぐらいに思っていたら、まさかの阪神入りですからね。ビックリしました。また対戦できる可能性が高くなって、やっぱり楽しみですよね」

古巣阪神が12月22日、ロッテを自由契約となっていたチェン・ウェインの獲得を発表。DeNA大和はメジャー通算59勝左腕のセ・リーグ復帰に心を躍らせていた。

阪神時代の大和にとって、チェンは「思い出深い人」だ。

まだ21歳だった高卒4年目の09年8月4日中日戦、プロ初スタメンで2安打を放った相手が24歳の台湾出身左腕だった。このゲーム、チームはチェンに12奪三振2安打無四死球で完封勝利を献上。その全2安打を記録したことで一気に注目を浴び、徐々に出場機会を増やしていった。

「初先発で2本打って、自分の中で勝手に相性が良いと思い込めたんですかね。相性ってそんなものですよね」

11年オフにチェンが中日から大リーグ・オリオールズに移籍するまで、2人の対戦成績は26打数10安打、打率3割8分5厘。ちなみに初対決した09年から11年の3年間に絞れば、大和の1軍通算安打数は35。つまり、35安打のうち10安打をチェンから記録していた、ということだ。どれだけ好相性を誇っていたのか理解できる。

「あの頃はチェンさんが先発する試合ぐらいしかスタメンで出られなかった。結果を出したくて出したくて、もう必死でしたから」

33歳のベテランは「チェンキラー」と呼ばれた日々を振り返り、懐かしそうに照れ笑いした。

縁とは不思議なものだ。大和は17年オフ、阪神からDeNAにFA移籍。チェンは今季終盤ロッテに加入し、オフに阪神へ移った。最後に対戦した11年シーズンから10年後の来季、今度はタテジマに身を包んだ左腕と大和が再戦するかもしれない。

「昔みたいに真っすぐばかりで来るとは思えないし、こっちも昔みたいにただただがむしゃらな年齢でもない。今度は対戦のイメージが全然湧かないですね…」

「チェンキラー」復活なるか、相性逆転となるか。21年、久々の対決をこっそり楽しみにしたい。【遊軍 佐井陽介】