平田勝男2軍監督なら、どんな言葉をかけるだろうか。

阪神井上広大外野手(19)が9日の日本ハムとの練習試合に「9番DH」で出場することが決まった。1軍キャンプのフリー打撃では柵越え連発。7日の紅白戦では決勝適時打。めざましい成長を見せる19歳に矢野監督が「そんな甘くねぇぞ」とハッパをかけた。

先発は同じく19歳の西純矢投手が“開幕投手”。昨年は2軍で4勝3敗を挙げ、けがなく高卒1年目を終えた。4日の紅白戦では先発で2回無失点。主砲の大山も三振に抑えた。そんな若き2人が、スタメンに名を連ねた。

昨季、平田2軍監督はよく言った。「広大には4番の勝負強さがまだ備わってない」「純矢はまだまだよ」。決勝アーチを放っても、無失点投球を見せても、まずは辛口談話が飛び出した。しかし最後には必ず「ちょっとずつ、ちょっとずつ成長してきたな」と白い歯を見せてきた。

井上には出場全試合で4番に起用する「4番英才教育」を施した。西純はウエスタン・リーグ最終戦の先発を任せた。30勝44敗(8分)でリーグ最下位に沈んだが、若き力を育てる道を選んだ。

現在平田監督は高知・安芸で2軍キャンプの指揮を執っている。9日、1軍の舞台で2人が先発することを取材で問われたら、なんと言うだろうか。「純矢も広大もトップクラスに比べたら実力不足よ。でも、高いレベルでもまれながら頑張っとるわな」。メンバー表を見たとき、記者はそんな想像をした。【阪神担当=只松憲】