<練習試合:ソフトバンク2-3ロッテ>◇24日◇アイビースタジアム

練習試合ながら、ソフトバンクはロッテに負けた。キャンプ地・宮崎での練習マッチ2試合目。初戦の西武には勝ったが、苦手ロッテには5回まで1四球のみの無安打無得点。ようやく6回に上林が2点三塁打を放ち同点としたものの直後に1点を勝ち越された。

もちろん、この時期の勝敗など関係ないが、戦い方を通して両者にははっきりとした違いがあったように思う。初回。ロッテは先頭藤原が四球を選ぶと、続く菅野が左翼線に先制の適時二塁打。無死二塁から3番中村奨は右打ちで走者を三塁に進めた。後続が倒れ追加点にはならなかったが「意識」を感じる打撃ではあった。1点差の9回無死一塁から9番佐藤都がエンドランで二塁に転がした。ここもダメ押しにはならなかったが2死三塁まで好機を拡大した。

対照的にソフトバンクは打席で「打つ」だけの攻撃だった。細かい戦術はこれからやっていくということなのだろう。例えば先発2番で2年目の佐藤直を起用したのであれば周東が四球で歩いた初回など、エンドランやバントなどいろんなことを試してもよかったのでは? と思う。首脳陣からは「そう焦りなさんなよ」と言われそうだが、まだまだキャンプ期間中だからこそ、あらゆる戦術にチャレンジすることは大切だと感じるのだが…。

「まあ、向こうも主力が出ているのじゃないですからね。勝敗は関係ないですよ」。試合後、ロッテ井口監督は笑っていた。昨年ゲーム差なしまで追い上げながらあと1歩が届かなかった悔しさは当然、胸に秘めているはず。ソフトバンクの施設を借りて「呉越同舟」となった試合後の練習ではサブグラウンドまで足を運び、新任の森脇野手総合兼内野守備コーチが安田らに行った内野ノックを見守っていた。

1カ月後の3・26開幕カードは昨年に続いてロッテと激突。今季もソフトバンクにとって「宿敵」となりそうな予感がした。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対ロッテ 6回裏ソフトバンク2死一、二塁、右翼線に適時打を放つ上林(撮影・垰建太)
ソフトバンク対ロッテ 6回裏ソフトバンク2死一、二塁、右翼線に適時打を放つ上林(撮影・垰建太)