<ソフトバンク6-5ロッテ>◇28日◇ペイペイドーム

ソフトバンクが2戦連続のサヨナラ勝利を挙げた。終盤の逆転に次ぐ逆転…。8回裏、デスパイネの2ランで逆転すれば9回に代打菅野が再び試合をひっくり返す逆転2ラン…。だが、ホークスの底力は最終回に発揮された。9回2死満塁から代打川島のサヨナラ2点打。ミラクル劇で開幕3連勝を飾ったチームに、さすがの王球団会長もうなった。

王貞治球団会長(2021年1月5日撮影)
王貞治球団会長(2021年1月5日撮影)

「信じられないねえ。やっている方は大変だったろうけど、見応えのある試合だったね。代打菅野のホームランも敵ながらあっぱれだったけど、いやあ、勝負は最後まで分からないねえ」

ナインと一塁ベンチ裏で恒例のハイタッチを終えて出てきた王会長の口調も弾んだ。何度も立ち止まっては、興奮気味に話した。監督最終年だった08年3月20、22日の楽天戦で2試合連続サヨナラ勝ちを経験している王会長だが、13年前の記憶も吹き飛ぶほどの劇的勝利だった。

ソフトバンク対ロッテ 9回裏ソフトバンク2死満塁、川島は右前サヨナラ2点適時打を放ち、歓喜のナインに囲まれる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対ロッテ 9回裏ソフトバンク2死満塁、川島は右前サヨナラ2点適時打を放ち、歓喜のナインに囲まれる(撮影・梅根麻紀)

今春のキャンプイン前日。全体ミーティングであいさつに立った王会長はチームに言った。「(現役で野球ができる)みんながうらやましい。だから、うらやましいと思っている僕をがっかりさせないでくれ」。V5へチームを鼓舞する言葉に力がこもった。開幕からまだ3試合。だが、チームは王会長の予想を超える勝利への執念を見せている。

喜びに浸っているだけではない。勝利の中でも王会長が気遣ったのは松田、中村晃の2人だった。ともに3戦無安打。苦悩の姿はネット裏にも伝わってくる。「あとは、松田と中村晃だけどね。でも、チームが勝っているから彼らも救われたかな。勝っていれば、自分のことだけを考えればいいけど、負けているとどうしても責任を感じてしまうからね」。プレッシャーはかけたくないが、早く1本を、の親心をのぞかせた。「巡り巡っていい日は来るよ」-。最後は2人への伝言のような言葉で締めくくった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】