<巨人2-2ヤクルト>◇3日◇東京ドーム

移籍後初勝利を目前で逃しても気丈なままだった。3月に巨人からトレード移籍したヤクルト田口麗斗投手(25)が、古巣相手の初マウンドに立った。 ストライク先行のテンポ良い投球で7回を88球、5安打無失点6奪三振。後を受けた清水、石山がそれぞれ失点し、9回に同点に追いつかれて白星は逃したが、試合後のZoom取材では「チョリース」と登場。悔しさを押し殺し、明るく振る舞った。

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“とにかく明るい田口”の原点は、広島新庄時代にさかのぼる。迫田守昭監督(当時)からの「ピッチャーというポジションは全員に見られるポジションだから明るく振る舞いなさい」という言葉。目立つポジションだけに、負の感情を出すと、チームに悪影響を及ぼす。「そういうことは絶対しないように、と今でも思っています」とポジティブを貫いている。

だから田口の周りは笑顔であふれる。チームメートに対しても、報道陣に対しても変わらない。開幕前の取材時、投手ミーティングで何を話し合ったのかを聞かれると「僕が全部言うと思ったら大間違いだ!」「言葉に出すほど俺は甘くない!」。練習時には、おもむろにキャッチャーミットを手にすると、小川の投球を受け「ナイスボール!」と体をのけ反りながら絶叫する。移籍してもムードメーカーっぷりは、巨人時代と変わらない。

巨人対ヤクルト 9回裏巨人2死一塁、若林の適時二塁打に苦笑いの田口(右から2人目)(撮影・山崎安昭)
巨人対ヤクルト 9回裏巨人2死一塁、若林の適時二塁打に苦笑いの田口(右から2人目)(撮影・山崎安昭)