<阪神7-3広島>◇2日◇甲子園

プロ初の「4番三塁」でスタメン出場した阪神ドラフト1位ルーキーの佐藤輝明内野手(22)が2点ビハインドの5回に無死満塁から右越えの逆転満塁本塁打。さらに、6回にも満塁から左前へ適時打を放ち、5打点と大きく貢献した。

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阪神佐藤輝にとって「三塁手」は、プロへ行くため自ら選んだ道だった。近大では1年春、秋と外野で出場したが、シーズン後に守備を担当する松丸文政コーチ(40)に「プロに行きたいから三塁を教えてもらえませんか?」と直訴した。内野も守れた方が、プロから指名を受けやすいという考えをストレートにぶつけた。

軽快なフィールディングで三塁ゴロを処理する近大・佐藤輝明(2020年10月19日撮影)
軽快なフィールディングで三塁ゴロを処理する近大・佐藤輝明(2020年10月19日撮影)

松丸コーチは内野手としてPL学園、近大、社会人のデュプロで活躍した。個別で翌年の3月から11月までその技術をたたき込み「思ったよりも上達が早かった。時間がかからなかった。のみ込みが早かったですね」と振り返る。2年春は三塁と左翼の併用。2年秋からは不動の三塁手となった(3年秋は右肘痛で一塁手)。各球団スカウトはグラブのハンドリングのうまさ、短い距離での正確な送球、判断力の良さを高く評価。三塁も外野もできることで4球団競合と佐藤輝の思い描いたドラフトとなった。【石橋隆雄】

8回表広島1死、坂倉の三塁線の打球を好捕しアウトにする三塁手佐藤輝(撮影・清水貴仁)
8回表広島1死、坂倉の三塁線の打球を好捕しアウトにする三塁手佐藤輝(撮影・清水貴仁)